大きな物音やインターホンが鳴ったとき、さらには外の様子が気になるときなど、さまざまなタイミングで猫は玄関から脱走していくことがあります。
しかし、飼い主にとっては、外で事故に遭わないか心配に感じたり、外出のタイミングで脱走してしまうとその後のスケジュールにも影響が出たりすることもあるでしょう。
猫が玄関から脱走しないようにするためには、どういった対策が有効なのでしょうか。
猫が玄関から脱走する理由とは
そもそも、なぜ猫は玄関から脱走してしまうのでしょうか。
考えられる主な理由を紹介します。
好奇心
猫は本来、非常に好奇心が強い動物です。また、狩りによって獲物を捕獲する肉食動物でもあることから、外で動くものを見たときに強く反応する本能があります。
したがって、家の中だけでなく外の世界についても知りたいと思うのは自然なことです。玄関から外へ出て行く行為は、その好奇心の表れともいえるでしょう。
ストレスを抱えている
猫は繊細な動物でもあり、自分の縄張りやテリトリーを侵害されたとき強いストレスを感じます。また、飼い主との関係や他のペットとの相性、騒音や生活リズムの変化など、さまざまな要因がストレッサーとなります。
ストレスが溜まりすぎると、環境を変えることでそれを解消しようとする行動をとることがあり、その一つが玄関からの脱走にあたります。
発情期を迎えた
猫は発情期を迎えると異性を求める行動が強くなります。特に避妊・去勢手術を受けていない猫は、発情期になると外へ出たいという欲求が高まります。
これは本能であり、生物として繁殖の役割を果たすために見られる行動です。
関連記事:猫に一人遊びが必要な理由や飽きないおすすめのおもちゃを紹介!
猫が玄関から脱走したときの対処法
実際に玄関から猫が脱走してしまった場合、どう対処すれば良いのでしょうか。
自宅の周りを探す
俊敏な動きの猫とはいえ、脱走したとしても行動範囲は限られており、数km、数十km離れた場所まで移動するというケースはほとんどありません。
そのため、まずは自宅の周囲を歩いて探してみましょう。特に猫は高い場所や狭く暗い場所を好むため、隠れられそうな場所を重点的に探してみると意外と早く見つかるかもしれません。
ドアや窓を開けておく
猫は気まぐれな動物であり、一時的に家の外に逃げたとしても自ら帰ってくることがあります。
特に、好奇心から外に出た場合には、興味を惹くものがなくなり飽きてきたときに戻ってくる可能性は十分あるでしょう。
そのようなときのために、猫が出入りできる程度のドアや窓を開けておきましょう。
迷い猫の届出をする
自宅の周辺を探しても見つからない、あるいは自宅に自ら戻ってこない場合、誰かが保護してくれていたり、事故に巻き込まれている可能性もあります。
このようなときは飼い主だけで解決できないことも多いため、第三者に協力を求めたり、届出をしましょう。
近所にビラやチラシを配布したり、警察や保健所などに迷い猫の届出をすることで見つかる可能性が高まります。
最近では拡散力が高く、画像の掲載ができるSNSが脱走した動物を探すのに活躍する場面もあります。
関連記事:【猫の脱走に困っている方へ】窓や玄関の脱走防止対策5選!
猫が玄関から脱走しないための防止対策
猫が頻繁に脱走してしまうと、そのたびに家の外を捜索しなければならず、飼い主にとっては大きな負担となります。脱走を防ぐためにはどういった対策が有効なのでしょうか。
ストレスを発散できる環境づくり
まずは猫がストレスを感じないような環境作りが大切です。
適度な静けさとリラックスできる場所を確保することはもちろんですが、ストレス発散には適度な運動も欠かせません。自由に動き回れるスペースを確保したり、上下運動ができるキャットウォークやキャットタワーの導入が効果的です。
また、仕事などで不在にすることが多い場合には、おもちゃなどを用意して一人遊びができる環境を整えてあげましょう。
避妊・去勢手術
発情期を迎えたときに脱走してしまう猫に対しては、避妊・去勢手術が効果的です。猫が異性を求めて外に出ようとする衝動を大幅に抑制することができます。
また、動物は使わない機能が病気となるケースが多いため、繁殖させる気がないなら寿命を延ばす意味でも有効な手術といえるでしょう。
脱走防止柵やバリケードの設置
自宅の間取りや構造上、猫が脱走しやすい環境になっている場合には、脱走防止柵やバリケードなどを設置して物理的に脱走を防ぐ方法もあります。
ストレスを発散できる環境をつくったり、避妊・去勢手術をしたりしても好奇心旺盛な猫はどうしても外へ脱走してしまいます。
脱走防止柵やバリケードを設置していれば、これから仕事や買い物などへ出なければならないときなど、どうしても脱走を防ぎたいときでも安心して玄関を開けられるのがメリットです。
猫の玄関用脱走防止柵の作り方
玄関用の脱走防止柵はペットショップやECサイトなどでも販売されていますが、意外と高価で購入を躊躇してしまう方も多いです。また、必ずしも自宅の玄関にマッチしたサイズがあるとも限りません。
そのような場合には、脱走防止柵をDIYで自作する方法がおすすめです。必要な材料や作り方の手順を紹介しましょう。
材料
- 突っ張り棒(床から天井まで届く長さ)×2本
- 角材(フレーム用)×4本
- 角材(格子用)×10本程度
- 蝶番×2個
- ネジ×30個程度
- ドア用ロック
格子用の角材は脱走防止柵の幅によって必要な本数が変わります。猫が隙間から逃げないよう、格子の間隔は5cm程度にする必要があるため、設置箇所の間口の寸法に合わせて角材の本数も調整してください。
また、ドア用ロックは簡易的に固定できる以下のような製品がおすすめです。
◆ねこの安心扉ロック ABA-40 ブラック(BK)|Amazon
作り方
脱走防止柵を設置する間口の寸法を測り、それに合わせてフレーム用の角材をカットする
※脱走防止柵の両脇には突っ張り棒を支柱として設置するため、その分の寸法を差し引いて計算してください。
- 格子用の角材をカットする
- フレーム用の角材と格子用の角材をそれぞれ組み合わせ、ネジで固定する
- 突っ張り棒を両サイドに設置する
- 柵の開閉方向に合わせ、蝶番を突っ張り棒と柵にネジで取り付ける
- 蝶番を取り付けた反対側にドア用ロックを取り付けて完成
猫は高いところまでジャンプするため、柵の高さは少なくとも170cm以上は確保しておきましょう。
玄関以外に猫が脱走しやすい場所は?
猫は身体が小さくて柔軟なため、さまざまな場所から脱走する可能性があります。玄関以外ではどのような場所から脱走する可能性があるのでしょうか。
窓
猫は窓から外の風景を眺めるのが好きなため、窓のカギが開いていると自ら開けて外に出ていくことがあります。特に、1階にある窓や、2階以上でも開けた先が足場になっている場合は注意が必要です。
ベランダ・バルコニー
アパートやマンションといった集合住宅の場合、ベランダやバルコニーから猫が飛び降りてしまうことがあります。また、自宅のバルコニーから隣の部屋や屋根へと移動し、脱出するケースも少なくありません。
天窓
天窓がある住宅の場合、高い場所へ飛び移って天窓から外に出てしまう可能性があります。
特に天窓の付近に収納家具や大型家電、キャットウォークなどがある場合、それらが天窓への道となってしまいます。
関連記事:猫専用の部屋は必要?メリットやレイアウトのコツ・工夫を紹介
ペットリノベーションで猫が脱走しない環境は作れる?
猫の脱走を防ぐためには、脱走防止柵をはじめとしたさまざまな設備を整えることが大切です。しかし、玄関以外にも脱走経路が多く、DIYで柵を作るのも大変と感じる方も多いでしょう。
そのような場合には、ペットリノベーションを検討してみるのもおすすめです。猫が脱走しやすい場所を見極め、間取りの一部を変更したり、専用の柵を設けたりすることもできます。
リノベーションと聞くと高額なコストがかかるイメージですが、予算に応じたプランも選択できるため安心です。
テイストは猫が喜ぶペットリノベーションを提供
ペットリノベーションにあたっては、これまで施工実績が豊富な専門業者を選ぶことが大切です。一般的な内装業者でも施工自体は可能ですが、ペットにとって快適な環境を実現するためには専門性のあるペットリノベーション業者への依頼が得策といえるでしょう。
テイストはこれまで多くのペットリノベーションを手掛けてきた実績があり、今回紹介したような脱走防止柵やバリケードの設置も得意としています。
玄関があまりにも広くDIYでは対応が難しいご自宅や、窓やベランダなどにも脱走防止柵を取り付けたいといった要望にも対応できます。
まとめ
猫はさまざまなことに興味をもち、玄関から脱走してしまうことがあります。これから家を出るタイミングなどで脱走してしまうと、その後のスケジュールにも影響が出ることから、柵などを設置し脱走防止の対策を講じることは大切です。
玄関の広さや間取りによってはDIYでも十分対応できますが、工具の扱いに慣れていない方や、玄関の構造上柵の設置が難しいと考える方は、ペットリノベーションも含めてご検討ください。