一緒に暮らしている猫をふと見ると、人間と同じようにお風呂へ入らなくて良いのか心配になることもあるでしょう。
野生の猫がお風呂に入ることはほぼありませんが、室内飼いの場合はどうすべきなのか悩んでしまう飼い主さんも多いはずです。
清潔さと猫への負担、一体どちらを優先すれば良いのでしょうか。
今回は猫をお風呂に入れる場合、どの程度の頻度で入れても良いのかについてご紹介します。
実際にお風呂に入れる際の方法や、あらかじめ知っておきたい注意点についても確認していきましょう。
猫にお風呂は必要?
結論からいうと、猫は必ずしもお風呂に入らなければならない訳ではありません。
人間との距離が近いペットとはいえ、本来は野生で生きてきた生物であるため、お風呂に入るという習性がありません。
体の汚れは舌で丁寧に舐めとることで清潔さを保っており、敢えて石鹸や水で洗い流す必要はないのです。
猫を始めとするペットに慣れていない方であれば、何だか動物独特の匂いがするように感じ、お風呂に入れたくなってしまう場合も多いのではないでしょうか。
猫は数々の動物の中でも比較的匂いが少ない部類。多少匂いがしたとしても、お湯で洗い流す必要はありません。
しかし、外を散歩してきたり、換毛期であったり、思わぬアクシデントで汚れてしまったりした場合、やむを得ずお風呂に入れる場合もあるでしょう。
猫の体調を考慮してさえいれば、1回のお風呂が猫にとって負担になりすぎることはありません。
体調や猫の性格・時間帯などをチェックし、もっとも良いタイミングを狙って準備することが大切です。
猫をお風呂に入れる適切な頻度は?
家族同然である猫に清潔さを保ってもらうため、お風呂に入れたいと思う飼い主さんも多いでしょう。
とはいえ頻繁に入れてしまうと猫にストレスがかかったり、風邪を引く可能性が高くなったりしてしまいます。
適切な頻度を守り、猫への負担を最小限に抑えながら入浴してもらいましょう。
長毛種
長毛種の猫は毛に汚れが溜まり、不衛生になりやすい点に注意が必要です。
定期的にお風呂に入れたい場合は、1ヶ月に1回程度を目安にすると良いでしょう。
それよりも短いスパンで入浴させるのは避け、様子を見ながら頻度を調節するのがおすすめです。
長毛種の場合、入浴後に毛が乾きにくく、短時間で風邪を引いてしまう子も少なくありません。
必要に応じて家族の手を借りながら、完全に毛が乾くまでは大人しくしていてもらいましょう。
短毛種
短毛種は長毛種に比べて汚れが溜まりにくいため、お風呂に入れるとしても半年に1回程度で良いとされています。
もちろん何らかの理由で汚れてしまった場合はこの限りではありませんが、回数を増やす場合も2~3ヶ月に1回以上は入れないようにしましょう。
毛だけでなく皮膚そのものをしっかりと洗えるよう、泡で出てくるタイプのシャンプーを選ぶのもおすすめです。
短毛種の場合、お風呂の頻度が少なくなりやすいのはもちろん、ブラッシングを忘れてしまうケースも珍しくありません。
毛が短くてもブラッシングは必要なため、1日に1回程度は優しく毛をとかし、大きなゴミや汚れを取り除いてあげましょう。
猫の健康状態でお風呂に入れる頻度は変わる?
長毛種・短毛種に分けて最適なお風呂の頻度をご紹介しましたが、実際の入浴頻度はどれほど毛が汚れているかによって決めると良いでしょう。
猫の住んでいる環境や健康状態によっても身体の汚れやすさが異なるため、毛並み同様にチェックしておくと安心です。
室内猫
室内猫の場合は基本的に身体が汚れにくいため、長毛種であれば1ヶ月から半年に1回、短毛種であれば半年から1年に1回程度で良いとされています。
汚れてしまった場合のみお風呂に入れる方や、こまめなブラッシングで入浴の代わりとしている飼い主さんも少なくありません。
子猫のうちからお風呂に慣れている猫であれば問題ありませんが、ほとんどお風呂に入ったことがなければ、成猫であっても非常に怖がってしまいます。
体格の良い猫の場合は1人でお風呂に入れるのが難しいことも多いため、無理に等間隔で入れる必要はありません。
外猫
家の中と外を自由に行き来できる猫の場合、身体に汚れがついている可能性が高まります。
足元がぬかるんだ日などを避けていても、思わぬ場所で身体を汚して帰ってくるでしょう。
目に見える汚れがない場合は良いですが、気になる場合は長毛種であれば1ヶ月に1回程度、短毛種であれば半年に1回程度を目安に入浴すると良いでしょう。
短毛種であっても、汚れる頻度が高い場合は2~3ヶ月ずつの入浴がおすすめです。
外に出られる猫の場合、もっとも気にしておきたいのが足の裏の汚れです。
家の中が汚れやすいだけでなく、思わぬ傷がついていることもあるため、帰ってきたタイミングでチェックしてあげると良いでしょう。
高齢猫
高齢で身体を動かす時間が減っていくと、ご飯で口の周りが汚れてしまったり、排せつ物がお尻についてしまったりすることが増えます。
その都度入浴していると身体に負担がかかってしまうため、軽度の汚れであれば濡らした布でふき取ると良いでしょう。
汚れがひどい場合は、長毛種と同じく1ヶ月に1回のペースで入浴を行います。
健康な猫に比べてデリケートな状態となるため、お湯やドライヤーの温度を下げたり、老猫でも使える身体に優しいシャンプーを選んだりするのがおすすめです。
風邪を引くと様々なトラブルの元となるため、お風呂から出た後は十分に乾かしてあげることが大切です。
猫をお風呂に入れる方法3ステップ
続いて、実際に猫をお風呂に入れる際の方法について、1から順にご紹介します。
1.お湯の温度は35℃
猫をお風呂に入れる場合、シャワーの温度は35℃を目安に設定しましょう。人間にしてみると少しぬるく感じますが、猫にとって熱すぎるお湯は危険です。
最初に触れたお湯が熱いとお風呂嫌いになりやすいため、ぬるま湯から徐々に試していくと安心です。
お湯の温度が定まったら、浴槽や桶などにお湯を貯め、猫用のシャンプーを溶かします。
泡タイプなど直接使えるものを選ぶと、より汚れが落ちやすく短時間でシャンプーを終えられるでしょう。
2.顔を避けて優しく洗う
猫は顔が濡れるのを嫌う傾向にあるため、水が顔や耳に入らないよう注意すると良いでしょう。
首から下を優しく洗った後は、濡れたガーゼなどで顔を拭ってあげるのもおすすめです。
シャンプーが目に入ると人間同様に沁みてしまうため、洗い流す際は注意が必要です。
また、身体を洗う際は汚れの溜まりやすいお尻や足を重点的にマッサージしてあげます。
猫が安心できるよう、濡れても良い服装で抱きかかえるようにして洗ってあげると良いでしょう。
泡で洗った後は、すすぎ残しがないよう丁寧にシャワーで洗い流します。
3.しっかりとタオルドライ
人間の考える風邪と、猫にとっての風邪では危険度が全く異なります。
口呼吸の出来ない猫は鼻が詰まるだけでも体調が大きく悪化するため、お風呂に入れた後はカラカラになるまで乾かしてあげることが大切です。
タオルでしっかりと水気を取った後は、温度に注意しながらドライヤーで毛を乾かします。
お風呂場で暴れやすい猫は、タオルドライやドライヤーも一苦労となる場合があります。
逃げ回る猫に余裕をもって対応するためにも、お風呂に入れるのは気温の高い夏場を狙うと良いでしょう。
関連記事:お風呂が好きな猫はいるのか?お風呂の入れ方やその後のケアも解説
猫のお風呂で注意するポイント
猫をお風呂に入れる際は、様々な点に注意しておく必要があります。
特にこれからご紹介する3つのポイントは必ず守り、猫に負担のかからない入浴を目指しましょう。
1.子猫はお風呂に入れない
今回ご紹介したお風呂の頻度は、子猫に当てはまるものではありません。
特に生後3ヶ月以内の子猫は体温調節機能が未発達であり、お風呂から出ると急激に体温を奪われてしまいます。
入浴が元で風邪を引いてしまうと、こじらせて症状が悪化し、命を奪われる危険性もゼロではありません。
子猫のうちは、食事や排せつで身体が汚れていても、タオルなどで優しくぬぐう程度に留めておきましょう。
2.猫の体調
体調の悪い猫を無理やりお風呂に入れると、風邪を引きやすいだけでなく、元々の体調がさらに悪化する可能性があります。
普段よりも食欲がなさそうにしていたり、便の出が悪いと感じたりした場合は、直近でお風呂に入れるのは避けましょう。
出産後や避妊手術を行った後なども同様に、入浴を避けるのが大切です。
3.爪のお手入れ
お風呂が大好きな猫であれば問題ないですが、ほとんどの猫は洗われるのを嫌がって暴れたり、走り回ったりするでしょう。
その際に爪が伸びていると、飼い主はもちろん猫自身が傷ついてしまう可能性があります。
入浴前は必ず爪を切り、安全な状態でチャレンジするのがおすすめです。
4.お風呂前にブラッシング
猫の身体をケアする方法として有名な「ブラッシング」
抜けかけている毛をごっそりとケアできるほか、大きなゴミや埃を取り除いたり、猫を落ち着かせたりするはたらきがあります。
入浴前にブラッシングを済ませておくと、洗うべき毛が減り、効率的にシャンプーができるようになります。
シャンプー後に注意したい毛の絡まりも防げるため、まさに一石二鳥といえるでしょう。
猫の気持ちを落ち着かせ、少しでもリラックスしてお風呂に入ってほしいときにも役立ちます。
猫をお風呂に慣れさせる方法
猫にとってお風呂は、時として恐怖の対象となります。
少しでもお風呂に慣れてもらうために、まずは生後3ヶ月意向を目安とし、早めにお風呂を始めてみてはいかがでしょうか。
好奇心旺盛な子猫のうちにお風呂を体験しておくことで、水への恐怖心が薄れ、大人になってもすんなりと入ってくれるようになります。
また、お風呂の場所を普段から教えてあげたり、自由に入らせてあげたりするのも良いでしょう。
猫が滑らないように水滴をしっかりと取っておき、抱っこしながら浴室を見に行くことから始めてみるのがおすすめです。
さらには猫の気に入るおもちゃを浴室内に置いておくことで、より安心しやすくなるでしょう。
関連記事:猫が喜ぶ部屋を作るポイントとは|レイアウトのコツを徹底解説
猫に快適な暮らしを提供するために
株式会社テイストが手掛けるペットリノベーションは、猫を始めとするペットたちと私たち人間が快適に暮らすため、様々な方法で自宅の改装を行うサービスです。
猫が入りやすいよう危険性をなくし、暴れやすいように脱衣所を広く設計するのもおすすめ。
猫用の乾燥機を置きたい場合に備え、コンセントの位置なども細かくご相談させていただきます。
これまでの日本は、猫はあくまでもペットであり、人間を主体とする生活が基本でした。
しかし現在はというと、猫や犬を家族として捉え、人間と同じように住みやすさを追求してほしいと願う飼い主さんが増えてきています。
株式会社テイストは工事の大小にかかわらず、猫や犬を含めた家族と暮らす最適な空間づくりをご提案します。
まとめ
猫にとってのお風呂は恐怖であることが多いため、無理やり間隔を守って入浴する必要はありません。
毛の長さや年齢・過ごし方などを考慮し、猫に合わせたお風呂の頻度を守りましょう。
入浴時は今回ご紹介した流れやポイントを参考に、猫にかかる負担を最小限に抑えてあげることが大切です。
gd2md-html: xyzzy Tue Aug 20 2024