新たに猫を迎える際に気になるのが、「どのくらい生きてくれるのか」といった寿命ではないでしょうか。
人間よりも寿命が短い動物たちは、その短い生涯の間に多くの愛情を分けてくれます。
平均寿命を超えても元気でいてもらうために、あらかじめ猫の寿命について正しい知識を供えておきましょう。
猫の平均寿命
2021年、一般社団法人ペットフード協会が発表した資料によれば、猫の平均寿命は16.22歳だといわれています。
これは完全に室内飼いの猫を対象とした数値であり、外と内を自由に行き来できる猫の場合は13.75歳だとされています。
室内飼いの猫の方が比較的トラブルが少なく、安全に過ごせるのが理由だといえるでしょう。
猫の平均寿命は、動物医療の発展を中心に年々長くなっています。
犬のように犬種によって平均寿命が大きく異なるわけではなく、その種類の猫も平均寿命から大きく変わることはありません。
種類よりも、生まれつきの疾患や飼い方・生活習慣などが寿命を大きく左右するといえるでしょう。
その中でさらに細かく見た場合、大型の猫は比較的短命であり、日本猫が長寿になりやすいといった傾向があります。
また、このようなデータに野良猫の平均寿命は考慮されていません。同じ猫同士で争ったり、別の野生動物に襲われたりと、外には様々な危険が待っています。
エサが十分に取れない・車に轢かれる・寒さや熱さによって体調を崩すなど、飼い猫に比べて圧倒的に命の危険に晒されているといえます。
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雑種の猫の寿命は?
種類によって平均寿命に大きな違いが見られない猫ですが、「雑種は寿命が長い」といわれることがあります。
これは明確なデータがあるわけではないものの、様々な種類が掛け合わされていることから、遺伝的なトラブルが少ないことが理由だと考えられます。
遺伝性疾患にも様々な種類がありますが、代表的なものは以下の通りです。
- スコティッシュフォールド、マンチカン:骨軟骨異形成症など
- アメリカンショートヘア、ブリティッシュショートヘア:肥大型心筋症など
- ラグドール、メインクーン:ピルビン酸キナーゼ欠損症など
他の猫がこの疾患にかからないわけではありませんが、種類によっては特定の疾患リスクが高いことに注意が必要です。
雑種の猫は様々な遺伝子が絡み合っており、免疫が強くなりやすいため、完全に安全ではないもののリスクが抑えられるといえるでしょう。
先程、猫の寿命は16.22歳が平均だとご紹介しましたが、完全に室内飼いの雑種であれば20年以上生きる場合があります。
長く生きた猫は「猫又」になるといった言い伝えもありますが、雑種の猫の中には猫又となった子もいるのではないでしょうか。
猫の寿命のギネス記録
ありとあらゆるケースで驚くべき数値が記録されているギネス世界記録ですが、もちろん猫の寿命にもギネス記録が存在します。
今回は2024年現在登録されているギネス記録をチェックし、猫界のご長寿さんについてご紹介しましょう。
世界のギネス記録
猫の寿命のギネス記録は、2024年現在アメリカ・テキサス州の「Creme Puff(クリームパフ)」という猫が持っています。
この子は38歳と3日という長い寿命をまっとうし、飼い主を始め様々な人間に愛されました。
人間の年齢に換算すると約170歳になることから、どれだけ特別なことなのかが分かるでしょう。
さらに驚くべきなのは、クリームパフの飼い主であるジェイク・ペリー氏は、これまたご長寿の猫「Granpa Rex Allen(グランパ・レックス・アレン)」も飼っていました。
この子は34歳と2ヶ月、人間でいえば150歳ほどであり、ギネス記録まではいかないものの大変な長寿であったことが分かります。
ジェイク・ペリー氏の元で2匹の長寿猫が過ごしたことから、彼には不思議な力があるのではないかと噂する人もいるようです。
その他にも世界には30歳を超える猫がたくさんいるといわれており、長期間人間に幸せを分け続けてくれています。
日本の長寿記録
現在までに日本国内でギネス記録に設定された猫はいませんが、昭和10年に青森県で飼われていた「よも子」という子は36歳まで生きたといわれています。
当時は現在ほどたくさんのペットフードが販売されていたわけではないため、よも子ちゃんは人間と同じご飯を食べながら生きていたのだとか。
現在は猫の体質に合わせた適切なペットフードをあげる必要があるため、人間のご飯を分け与えるのは良くありません。
しかしよも子ちゃんの場合、広々とした家で家族に愛されながら過ごしたことで、食べ物に関わらずストレスのない生活ができ、結果として長寿に繋がったのではないでしょうか。
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猫の寿命を延ばすためにできること
家族の一員としてお迎えした猫は、できることならいつまでも健康でいてほしいものです。
もちろんどうしようもないことが原因で命を落としてしまう子もいますが、日頃の生活を工夫することで体調を崩すリスクを抑えられるのも事実です。
人間側ができる対策をしっかりと行ってあげることで、大切な猫の寿命を延ばすことに繋がるでしょう。
適度な運動をさせる
室内飼いの猫は、野生に比べて運動量が減り、ストレスが溜まったり肥満になったりといったトラブルが起こりやすくなります。
1日のうち30分程度は運動ができるよう、おもちゃを使って一緒に遊んだり、猫が得意な上下運動ができるようキャットタワーやキャットウォークを付けたりといった工夫を行いましょう。
人間に執着せず気ままに生きているように見える猫でも、1日のうち常に一人でいたいわけではありません。
忙しい毎日の中で少しでも遊ぶ時間を作ってあげると、猫にとってはもちろん人間のストレス発散にも繋がります。
ストレスを溜めさせない
野生の本能を失っていない猫が家の中で生活することは、多少なりともストレスが溜まります。
思うように運動ができなかったり、飼い主が干渉しすぎたりすると、ストレスによって様々な病気にかかりやすくなるでしょう。
食欲がなくなる・便秘や下痢になるといった胃腸症状だけでなく、原因不明の膀胱炎になったり、脱毛症にかかったりする可能性もあります。
また、人間が強いストレスによって精神疾患を患うことがあるように、猫もうつ病のような症状が出る場合があります。
自分から進んで動かなくなる・トイレを覚えているはずなのに粗相を繰り返す・特別な出来事がないのに威嚇や大きな声で鳴くことを繰り返すなどのトラブルがある場合は、猫が心にダメージを負っている可能性があるでしょう。
猫のストレスを発散させてあげるためには、やはり運動が一番です。飼い主との距離を適度に保ち、一緒に遊ぶ時間とプライベートを大切にする時間を明確に分けると良いでしょう。
適性体重を維持する
猫の適正体重は年齢や種類によって大きく変わるため、かかりつけの医師に相談しておくと良いでしょう。
一般的に大人の雄であれば4~5kg、大人の雌は3~4kgほどが適正だといわれています。
肥満による疾患の可能性がある子や、反対に痩せすぎの危険性がある子などは、しっかりと人間側で体重管理をしなければなりません。
猫を初めて迎えた場合などは特に、早く慣れてほしいからとおやつをあげすぎたり、人間の食事をねだる子に対して食べ物を分けてしまったりすることがあります。
猫の肥満は人間よりも深刻であり、様々な病気の原因となるため、定期的に体重を測りながら適正体重との差を意識する必要があります。
定期的に健康診断を受ける
猫を始めとする動物は、人間に対し体調不良を隠す傾向があります。
これは野生の名残であり、体調不良を周りに知られることで敵に見つかりやすくするのを防ぐためです。
飼い主がしっかりと猫の様子を観察し、何か変わったことがあればすぐに医療機関を受診することが大切ですが、どの異変もすぐに察知できるわけではないでしょう。
飼い主でも気が付かない異変にもすぐに対応できるよう、定期的な健康診断を受けることが重要です。
現在身体に異変がないかを調べるだけでなく、病気のかかりやすさなどを知っておくこともできるでしょう。
夜間や休診日も含め、何かあった時にすぐ相談できる動物病院を見つけておくことも、猫の異変に素早く対応するための対策の一つです。
なるべく室内で飼う
猫にとって外は刺激に溢れた場所であり、窓から外を見て出たがる様子を見せる子もいるでしょう。
猫は帰巣本能が優れているため、仮に外へ出たとしてもしっかりと家へ帰ってくることができます。
しかし、外は猫にとっての危険がたくさんあり、ある日突然怪我をする可能性も十分にあります。
家の近くに道がある場合は車に轢かれる危険があったり、野良猫の喧嘩に巻き込まれて怪我をしたりすることもあります。
これらを全て防ぎながら外出するのは不可能であり、その分寿命が短くなりやすいでしょう。
こういった危険を避けるためには、最初から外へ出さず、室内で飼うことが大切です。
外に興味を示す子に対しては、去勢や避妊をしっかりと行ったり、網戸にロックをかけて外の様子を見られるように工夫したりすると良いでしょう。
外に出なくても運動不足にならないよう、キャットタワーやキャットウォークの設置も検討するのがおすすめです。
歯周病を予防する
人間同様、猫も口内トラブルには注意が必要です。よだれが増えたり口臭が強くなったりといった異変を感じたら、まずは歯周病を疑ってみましょう。
症状が進むと顔にまで腫れが広がったり、歯茎から出血したりする場合もあります。
猫の歯周病を放置すると、歯周病菌が口内から体内へと移動し、心臓や腎臓・肺などの臓器へ感染する場合があります。
痛みが原因で食事を摂らなくなり、急激に体重が落ちてしまう子もいます。
最悪の場合は命に係わることもあるため、定期的に口内をチェックし健康を確認することが大切です。
歯周病を予防するには、猫用の歯ブラシや歯磨きシートなどで口内を清潔に保つことが大切です。
急に口へ歯ブラシを入れてしまうと驚いて嫌がる子が多いため、まずはガーゼを指に巻き、口に軽く触れるところから始めましょう。
動物病院で歯磨きをしてもらえるところもあるため、口内ケアの方法について相談するのもおすすめです。
猫のかぎしっぽと寿命の関係性は?
猫の寿命に関して調べてみると、「かぎしっぽは寿命が短い」といった情報がヒットすることがあります。
お迎えした猫がかぎしっぽだと、病気にかかりやすいのではないかと心配になる方も多いのではないでしょうか。
かぎしっぽは生まれついてしっぽの骨が曲がっていたり、子猫のうちに怪我をしたりすることによって起こります。
かぎしっぽだからといって寿命が短いといったデータはなく、他の猫と同じように長い期間を生きる子もたくさんいます。
かぎしっぽだからといって過剰に心配する必要はないでしょう。
かぎしっぽの猫は幸運をたくさん運んでくれるという言い伝えもあるため、飼い主と猫の間には素敵なことがたくさん起こるのではないでしょうか。
かぎしっぽが短命だといわれるのは、しっぽのカーブ部分が家具などに引っかかり怪我をしやすいことが原因だと考えられます。
特に子猫のうちは骨折や脱臼のリスクが高いため、引っかかりやすい家具などはあらかじめ対策しておくと良いでしょう。
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猫に快適な環境を用意して長生きしてもらおう
ペットライドは10年以上ペット業界に携わった経験や、ペットショップ・動物保護施設を運営した経験から、現場の目線に立った製品開発を実現しています。
何よりも猫とその飼い主が快適に暮らせるよう考えられた製品を多数用意し、猫が寿命を謳歌できるような生活作りのお手伝いをさせていただきます。
ペットライドで取り扱っている製品は、室内飼いの猫に対して運動不足を解消したり、ストレスを上手に発散したりできるものです。
大型の製品に関しても猫の習性を最大限考慮した施工を行い、室内でものびのびと過ごしてもらえるように工夫しています。
まとめ
猫の寿命は人間よりも短いため、いつか来るであろう別れを心配している方も多いはず。
短い生涯を大切に過ごしてもらうためにも、飼い主側ができる対策を万全に整えてあげましょう。
猫も人間もストレスなく過ごせる空間を作るため、ぜひペットライドの製品もチェックしてみてはいかがでしょうか。