猫と聞くと自由気ままで、ストレスとは無縁の動物のような印象を受けます。
しかし、実際には非常に繊細な気質をもっており、些細なことが原因でストレスを感じることも多いのです。
本記事では、猫がストレスを感じる原因や飼い主がそれを見極める方法、猫のストレスを軽減し快適に過ごすためのポイントなどもご紹介します。
猫がストレスを感じる原因
猫にとって快適な環境を整えるためには、どういった環境がストレスを生みやすいのかを正しく理解しておくことが大切です。
生活環境の変化
猫は生活環境の変化に対して非常に敏感です。
引っ越しによって部屋の間取りが変わったり、一緒に暮らす家族が変わったりすると不安やストレスを感じやすくなります。
急激な環境の変化は猫にとって大きな負担になるため、少しずつ慣れさせる工夫が必要です。
騒音や強いにおい
猫は聴覚や嗅覚に優れた動物でもあるため、騒音や強いにおいは大きなストレスの原因になります。
たとえば、大きな音がする掃除機や、近所で行われている工事作業の音、雷の音などが猫に不安を与えます。
また、香水や強い芳香剤、タバコのにおいなども猫にとっては不快に感じられることもあります。
このような刺激をできるだけ避け、猫が安心して過ごせる静かな環境を確保することも大切です。
他のペットや飼い主との関わり
すでに他のペットがいる環境に新たに猫を迎え入れる場合、先住猫との相性や関係性がストレスの原因になることもあります。
猫は縄張り意識が強いため、新しい環境下ではお互いに警戒し争いを生むことも少なくありません。
また、飼い主が過度に干渉することで、不安を感じる猫もいます。
愛情不足もペットにとっては良くありませんが、猫が自分のペースで距離を取れるように配慮することも重要です。
不潔な環境
猫はきれい好きな動物として知られており、不衛生な環境は大きなストレスになります。
特にトイレのメンテナンスは重要であり、あまりにもトイレが不潔だと使ってくれず、リビングや廊下、玄関などに排泄するようになります。
また、毛布やベッドなどの寝床が汚れていると安心して休むこともできません。
そのため、猫のストレスを軽減するためには定期的に掃除を行い、常に清潔で快適な環境を整えておくことが大切です。
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猫がストレスを感じている時のサイン
猫の様子を正しく理解するために、ストレスを感じているときにサインとして現れる行動をいくつかご紹介しましょう。
過剰なグルーミング
グルーミングとは毛づくろいのことです。
通常、猫のグルーミングはリラックスしているときに見られる行動であり、毛並みを整えたり自分自身のにおいを付着させるといった目的で行われます。
しかし、猫がストレスを感じている場合、過剰に自分の体を舐める「過剰グルーミング」という行動が見られることがあります。
これは不安や緊張を和らげるための行動で、特にお腹や足の内側を頻繁に舐めすぎて毛が抜けてしまうことがあります。
トイレの失敗
普段はきちんとトイレを使っている猫が、突然トイレ以外の場所で排泄するようになった場合も、ストレスが原因であることが少なくありません。
たとえば、新しいペットを迎え入れたり、引っ越しや家具の移動などによって環境に変化があるとストレスを感じ、縄張りを主張するためにトイレ以外の場所で排泄をすることがあります。
攻撃的な行動
落ち着いた性格で飼い主と良好な関係を築いてきたにもかかわらず、急に噛みついてきたり爪を立てたりといった攻撃的な行動が見られる場合も、ストレスが原因として考えられます。
たとえば、狭い部屋の中で複数のペットが暮らしていると、猫は自分の縄張りが確保できずストレスが溜まってしまいます。
また、飼い主が忙しく猫とスキンシップをとる時間がないと、寂しさと同時にストレスを感じることもあるでしょう。
隠れる
猫は身の危険やストレスを感じると、静かで暗い場所に隠れる傾向があります。
普段は家の中を元気に歩き回っている猫が突然姿を見せなくなり、気づいたら家具の下やクローゼットの中に隠れるようになった場合には、何かしらの不安や恐怖を感じているかもしれません。
猫が身を隠せる場所を整備することも大切ですが、根本的なストレスの原因を見つけ出し解消することが重要です。
食欲不振または過食
猫はストレスが原因で食欲が変化することもあります。
ストレスを感じて食欲が低下し、食事にほとんど興味を示さなくなる猫もいれば、逆に食べすぎてしまう猫もいます。
もちろん、病気やケガなどが原因で食欲が低下することもありますが、食事行動で何らかの変化が見られた際には、ストレスの原因を疑ってみることも大切です。
猫がストレスを溜めたまま放置するとどうなる?
ストレスが疑われる行動が見られているのに、それを放置したままの状態が続くとどうなるのでしょうか。考えられる2つのリスクをご紹介します。
異常行動の悪化
まず考えられるのは、上記でご紹介したさまざまな異常行動が悪化し、日常生活に大きな支障をきたすリスクです。
たとえば、はじめのうちはトイレに失敗しリビングの一部に粗相をする程度であったものが、やがて廊下やキッチン、玄関などあらゆる場所で排泄するようになるかもしれません。
また、ストレスを放置した結果、攻撃的な行動がエスカレートしていく可能性も考えられ、飼い主や他のペット、さらには自宅を訪れた来客に対しても危害を加えるリスクが高まるでしょう。
健康リスクを高める
2つ目のリスクとして考えられるのが、さまざまな健康被害につながることです。
たとえば、過剰グルーミングによって体毛の一部が抜け落ちてしまうと、皮膚に傷や炎症を引き起こし化膿する危険性もあります。
また、食欲不振が続くと必要な栄養素を補給できず免疫力が低下し、過食が続けば肥満が原因となってさまざまな病気を発症するリスクも高まるでしょう。
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猫のストレスを軽減するには?
人間と同様、猫にとってもストレスは大敵であり、健康を維持するためにも快適な生活環境を整えておかなければなりません。
猫のストレスを軽減するためにはどういった対策が必要なのでしょうか。
快適な環境づくり
まずは、猫にとってストレスの原因となる騒音やにおいに配慮した環境を作りましょう。
たとえば、外からの騒音が届きにくい部屋に猫の遊び場やベッドを作ったり、部屋の中を掃除するときには掃除機は使用せず、ほうきやモップなどを使うといった対策も有効です。
また、排泄物のにおいが届かないよう、トイレは離れた場所に置いておくこともおすすめです。
十分な運動と遊び時間の確保
運動不足はストレスの原因になり得るため、適度な運動と遊びの時間が必要です。
たとえば、猫じゃらしなどの動くおもちゃを用意し、一日に数回は一緒に遊ぶ時間を作りましょう。
また、飼い主が不在の時間帯も猫がストレスを感じないよう、爪とぎなども用意しておくと安心です。
適度な運動と遊びを取り入れることで、ストレスの軽減はもちろんのこと健康維持につなげることもできます。
適切な温度管理
猫はもともと砂漠地帯の動物であるため、寒さに弱い傾向があります。
一方、昨今の夏は猛暑日が続き湿度も高いため、適切な温度管理がされていないとストレスを感じてしまいます。
そこで、季節を問わず適切な温度管理を行い、たとえば冬には毛布を用意したり、夏には冷房と扇風機も併用しながら熱中症を予防するなどの対策をとることでストレスを軽減できます。
安心できる場所の提供
猫は狩猟動物であるため、周囲を見渡せる高い場所や、外的から身を隠せる場所にいるとリラックスできるという本能があります。
そこで、キャットタワーを設置したり、クローゼットの一部や部屋の隅などに隠れ家を用意しておきましょう。
猫が緊張を感じた時や一人で過ごしたい時に、自由に隠れられるスペースを確保しておくことでストレスを和らげる効果が期待できます。
適度なスキンシップ
猫は気まぐれな性格といわれることが多く、犬のように過度なスキンシップは好まない傾向にあります。
しかし、だからといって一切のスキンシップを絶ってしまうと、寂しさや不安によるストレスを感じることもあります。
猫の性格やその日の気分に合わせて、撫でたり優しく声をかけたりするなど、リラックスさせるスキンシップを心がけましょう。
強引に触れることは避け、猫が自ら寄ってくるのを待つことが大切です。
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猫がストレスを溜めない環境づくりをサポートするアイテムを紹介!
部屋の間取りや広さによっては、快適な環境づくりが難しく感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで、猫のストレスを軽減するためのおすすめアイテムをいくつかご紹介します。
ねこのひみつ基地
「ねこのひみつ基地」は、トイレやさまざまなペット用品を収納できるツールです。
側面と扉、天板、棚板の計4か所に穴あけが可能で、猫が自由に出入りしたり、キャットタワーのような上下運動をすることもできます。
また、内部には猫用トイレが設置できるスペースが確保されているため、狭い部屋の中でもトイレのにおいを気にすることなく清潔な状態を維持できます。
ねこのスキップ
「ねこのスキップ」は壁面に設置可能なステップ台です。
上下運動ができるスペースを確保することで猫の運動不足を解消し、ストレスも軽減できます。
ステップの幅は30cm、奥行きは20cmと余裕があり、表面には滑りにくいカーペット素材を使用しているため、足を滑らせて転落する心配もないでしょう。
ステップは5台セットまたは1台単位での購入も可能なため、部屋の広さや高さ、猫の体格に応じて自由に配置できます。
ねこの通りみち
「ねこの通りみち」は天井付近に設置可能なキャットウォークです。
運動不足の解消はもちろんのこと、周囲を見渡しながらリラックスできる定位置にもなります。
全長は180cm、ステップの奥行きは25cmが確保されており、「ねこのスキップ」と同様に表面はカーペット素材で安全に優れています。
また、長さは180cm以外にも160cm、140cm、120cmのバリエーションが用意されているほか、上記以外の任意のサイズにカットすることも可能です。
「ねこのスキップ」と組み合わせることで、本格的で安全性の高いキャットウォークに仕上げられるでしょう。
まとめ
猫は生活環境の変化や騒音、におい、同居するペットや飼い主との関係性などが原因となってストレスを感じやすく、適切な対処をしないまま放置しておくと健康を損なう可能性もあります。
まずは猫にとってどのような環境がストレスの原因となるのかを正しく理解し、快適な環境を作っていきましょう。