
「犬を飼いたい」と思ったとき、まず考えるべきなのがお金のことです。
フードや日用品だけでなく、医療費や老犬介護・旅行中の預け先などを含め、想像以上の出費が発生するでしょう。
本記事では犬を最後まで責任をもって飼うために必要な年収をシミュレーションし、飼育を検討している方に役立つ情報をまとめました。
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Contents
犬を最後まで飼うための必要最低ラインの年収は?
犬を安心して育てるためには、生活費に加え、犬の生涯費用をまかなえるだけの年収が必要です。
年収の目安 | 飼育可否 | 特徴・ポイント |
500万円以上 | 〇 | 資金に余裕があり、医療・トリミング・旅行預けなども安心。突発的な高額治療にも対応可 |
500万円 | 〇小型〜中型犬 | 飼育に必要な支出を確保できるが、医療費やペット保険は計画的な利用が前提 |
300万円 | ×おすすめできない | 飼えなくはないが人間の生活費を切り詰めないと厳しい。突発的な医療費や老犬介護期の費用負担が大きく、おすすめはできない |
上記の表を参考にすると、500万円以上の年収があると、資金に余裕をもったまま犬と生活ができるといえます。
必要最低ラインの世帯年収と生涯かかる費用を解説
犬の生涯費用は、想像以上に高額です。
年間の平均支出はおよそ35万円~41万円だといわれており、医療費や老後の介護費用を見込むと、年間で45万円程度必要だと考えられます。
例えば、犬が15歳まで生きるとすると、「15年 × 45万円/年 = 675万円」が必要です。
このことから、飼い主の生活費と犬の費用を両立させるには、最低でも年収500万円が安心できるラインといえるでしょう。
上記の計算は一人暮らしの場合を想定しており、家族が増えればさらに出費が増えることとなります。
年収300万では犬を飼えない?
年収300万円でも犬の飼育ができないわけではありませんが、現実的にはおすすめできません。
- ケガや病気で高額手術が必要になると、数十万円単位の費用が一度に発生する
- 高齢になると持病が増え、通院や投薬で医療費がかさむ
- ペット保険に加入してもある程度の自己負担が発生する
さらに、経済的な理由で犬を遺棄することは、動物愛護法違反に該当します。
違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処される可能性があります。
「お金が足りないから飼えない」といった状況を避けるためにも、収入に余裕がない状態で犬を迎えることは避けましょう。
関連記事:犬を飼うのに必要な部屋の準備5選|お迎え前に必要な準備とは?
【犬のサイズ別】犬を飼うための必要経費と初期費用をシミュレーション

犬は身体の大きさによっても費用が大きく変わります。小型犬・中型犬・大型犬それぞれの必要経費と初期費用について解説します。
犬の飼育費用の目安
犬種区分 | 毎月の費用目安 | 年間費用目安 | 平均寿命 | 生涯費用の目安 |
小型犬(例:チワワ、トイプードル) | 15,000〜25,000円 | 18万〜30万円 | 約14年 | 約252万〜420万円 |
中型犬(例:柴犬、コーギー) | 20,000〜35,000円 | 24万〜42万円 | 約13年 | 約312万〜546万円 |
大型犬(例:ゴールデンレトリバー、ラブラドール) | 30,000〜50,000円 | 36万〜60万円 | 約11年 | 約396万〜660万円 |
小型犬の場合の必要経費と初期費用
小型犬の必要経費の目安は以下の通りです。
小型犬の必要経費の目安
項目 | 月額目安 | 年額目安 |
食費・おやつ | 4,000〜8,000円 | 4.8万〜9.6万円 |
医療・予防(ワクチン・健診・フィラリア等) | 1,250〜2,100円 | 1.5万〜2.5万円 |
ペット保険(任意) | 2,000〜4,000円 | 2.4万〜4.8万円 |
トリミング・シャンプー | 0〜6,000円 | 0〜7.2万円 |
日用品・消耗品(トイレシート等) | 1,000〜3,000円 | 1.2万〜3.6万円 |
しつけ・一時預かり等(任意) | 0〜3,000円 | 0〜3.6万円 |
突発医療の積立(推奨) | 3,000〜5,000円 | 3.6万〜6万円 |
合計 | 約13,250〜31,100円 | 約15.9万〜37.3万円 |
初期費用の目安
内訳 | 目安 |
ケージ・キャリー・ベッド・食器・トイレ一式 | 3万〜7万円 |
初期健診・ワクチン・マイクロチップ等 | 1万〜3万円 |
合計 | 約5万〜10万円 |
小型犬と暮らすには、年間で15.9万~37.3万円の費用が発生します。
ただしこの費用は「ケガや病気をしなかった場合」の想定であるほか、老後になると医療費がかさみやすいため、実際にはさらにかかると考えておきましょう。
初期費用も5万~10万円程度必要なため、十分に余裕のある状態でお迎えすることが大切です。
中型犬の場合の必要経費と初期費用
中型犬の必要経費の目安は以下の通りです。
中型犬の必要経費の目安
項目 | 月額目安 | 年額目安 |
食費・おやつ | 6,000〜12,000円 | 7.2万〜14.4万円 |
医療・予防(ワクチン・健診・フィラリア等) | 1,700〜2,900円 | 2.0万〜3.5万円 |
ペット保険(任意) | 3,000〜5,000円 | 3.6万〜6万円 |
トリミング・シャンプー | 0〜8,000円 | 0〜9.6万円 |
日用品・消耗品 | 1,500〜3,500円 | 1.8万〜4.2万円 |
しつけ・一時預かり等(任意) | 0〜3,000円 | 0〜3.6万円 |
突発医療の積立(推奨) | 4,000〜6,000円 | 4.8万〜7.2万円 |
合計 | 約16,200〜40,400円 | 約19.4万〜48.5万円 |
中型犬の初期費用の目安
内訳 | 目安 |
ケージ・キャリー・ベッド・食器・トイレ一式 | 4万〜8万円 |
初期健診・ワクチン・マイクロチップ等 | 1.5万〜3.5万円 |
合計 | 約6万〜11.5万円 |
年間費用は19.4万~48.5万円と、小型犬よりもやや負担が大きくなります。
特に柴犬などは運動量が多いため、体調管理やしつけにもコストがかかる可能性があります。
初期費用は、犬の購入にかかる費用を除き、6万~11.5万円ほど必要です。
関連記事:一人暮らしで犬を飼いたい方必読!おすすめ犬種と注意点
大型犬の場合の必要経費と初期費用
大型犬の必要経費の目安は以下の通りです。
大型犬の必要経費の目安
項目 | 月額目安 | 年額目安 |
食費・おやつ | 10,000〜18,000円 | 12万〜21.6万円 |
医療・予防(ワクチン・健診・フィラリア等) | 2,500〜4,200円 | 3万〜5万円 |
ペット保険(任意) | 4,000〜6,000円 | 4.8万〜7.2万円 |
トリミング・シャンプー | 0〜10,000円 | 0〜12万円 |
日用品・消耗品 | 2,000〜4,500円 | 2.4万〜5.4万円 |
しつけ・一時預かり等(任意) | 0〜4,000円 | 0〜4.8万円 |
突発医療の積立(推奨) | 5,000〜8,000円 | 6万〜9.6万円 |
合計 | 約23,500〜54,700円 | 約28.2万〜65.6万円 |
大型犬の初期費用の目安
内訳 | 目安 |
ケージ・キャリー・ベッド・食器・トイレ一式 | 6万〜10万円 |
初期健診・ワクチン・マイクロチップ等 | 2万〜4万円 |
合計 | 約8万〜14万円 |
大型犬の場合は小型犬・中型犬に比べてさらに高額であり、毎月の食費や医療費は小型犬の倍以上かかります。
年間費用は28.2万~65.6万円。
寿命は平均11年程度と短めですが、それでも396万~660万円ほどの費用が発生します。
初期費用も8万~14万円と高額であり、経済的な余裕がないと継続しての飼育が難しいでしょう。
まとめ
犬を最後まで飼うためには、最低でも年収500万円以上が安心できるラインです。
「なんとかなるだろう」と安易に考えるのではなく、医療費や老後の介護費用も含め、経済的な準備と覚悟を整えたうえで迎えることが大切です。