猫という動物は気まぐれで自由なイメージをもたれがちですが、実は私たちが想像する以上にデリケートな動物です。
特に猫を初めて飼う方は、快適な環境を作ったうえで招き入れることが大切です。
猫部屋を作るのもひとつの方法といえますが、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。
今回は、猫部屋を作るうえでの場所の選び方や安全対策、アレルギーへの配慮などについて詳しく解説します。
猫部屋を作るのに最適な場所の選び方
猫部屋を作る際には、単に空き部屋を活用すれば良いというわけではありません。
猫の習性や行動特性などを理解したうえで、過ごしやすい場所を選ぶことが大切です。
日当たりの良い場所
猫は温暖な気候や環境を好み、寒さには弱い動物です。また、自分の縄張りを守るために外の様子を眺めることが多くあります。
そのため、猫部屋を作る際には大きな窓がある日当たりの良い場所が理想的といえるでしょう。
換気がしやすい環境
猫は発情期を迎えるとスプレー行為を行ったり、ストレスなどからトイレ以外の場所で粗相をすることがあります。
猫の排泄物は強烈なニオイを発するため、できるだけ換気がしやすい部屋がおすすめです。
ある程度の高さが確保できる
犬は高い場所が苦手ですが、猫の場合は高い場所に登るのが得意です。
ジャンプしたり飛び降りたりといった上下運動をすることで、ストレスや運動不足を解消しています。
部屋の中にキャットウォークやキャットタワーなどを設置することを考慮し、ある程度の高さが確保できる部屋を選びましょう。
運動ができるスペース
室内で飼育するペットは運動不足になりがちで、同じ部屋にこもったまま過ごしているとストレスが溜まってくることもあります。
部屋の中を歩き回れるだけのスペースを確保したり、ほかの部屋に自由に行き来できる動線を確保しておくことも重要なポイントです。
適温を維持できる環境
猫は比較的暑さに強い動物ではありますが、日本のような高温多湿の環境にいると熱中症にかかるリスクが増大します。
そこで、特に暑さや寒さが厳しい季節は部屋の温度を一定に保ち、猫にとって過ごしやすい環境を作ることが大切です。
関連記事:猫が喜ぶ部屋を作るポイントとは|レイアウトのコツを徹底解説
猫部屋を作る際に必要な家具やインテリア
猫部屋の場所が決まったら、そこに配置する家具やインテリアなども選定しなければなりません。特に重要なのは以下の9点です。
猫用ベッド・クッション
猫がリラックスして体を休ませるために、専用のベッドやクッションを用意しておきましょう。
特に寒さの厳しい冬場には、ベッドやクッションを使用することで体温を一定に保ち、体調を崩すリスクを減らせる可能性があります。
爪とぎ器
室内で猫を飼育するにあたって、爪とぎ器はマストアイテムといえます。
猫は狩猟動物の本能として爪を鋭く研ぐ習性があり、柱や床、壁などに爪を立てるとボロボロになってしまいます。
爪とぎ器があれば、このような被害を最小限に防げるでしょう。
棚などの登れる家具
高い場所を好む猫のために、階段状になった棚やタンスなどの家具を配置しておくと運動不足やストレスの解消につながります。
猫が誤って足を踏み外さないよう、ある程度の幅と安定感のある家具を選びましょう。
隠れ場所
大きい物音や家族以外の声が聞こえてきたときなどに、驚いて身を隠す猫も少なくありません。
四方を囲まれたキャットドームやキャリーバッグなど、隠れる場所を用意しておくと安心です。
トイレ
猫は基本的に同じ場所で排泄をする習性があり、犬に比べてトイレのしつけは簡単です。
猫専用のトイレトレーや猫砂を用意し、定期的に清掃を心がけつねに清潔を保っておきましょう。
食事や水用の皿
ご飯を食べたり、水を飲んだりするための器も必要です。
プラスチック製や金属製などさまざまなタイプの製品が売られていますが、衛生面や安定感などを考慮すると陶器製のものがおすすめです。
おもちゃ
飼い主が仕事や買い物などで自宅を空けているとき、猫がストレスや寂しさを紛らわすためにおもちゃも用意しておかなければなりません。
猫じゃらしなど、飼い主と一緒に遊ぶためのおもちゃもありますが、留守中に一人で遊べるボールやぬいぐるみなども用意しておきたいところです。
キャットタワー
棚やタンスなどの家具を昇り降りすると、爪で傷がつくこともあるでしょう。
これを防ぐために、猫部屋の中にキャットタワーを設置するという方法もあります。
キャットタワーはホームセンターやペットショップなどでも手軽に購入でき、移動も可能なため賃貸住宅でも安心です。
キャットウォーク
一戸建てや分譲マンションなどリフォームが可能な住宅の場合、キャットウォークの設置もおすすめです。
住宅の壁面に足場を施工するためインテリアと調和しやすく、完成度の高い見た目に仕上げられます。
猫部屋を作る上での安全対策
私たち人間にとっては害がなくても、猫にとっては危険であったり有害なものも少なくありません。
猫の健康を維持するために心がけたい安全対策をご紹介します。
有害物質の排除
私たちの身の回りにはさまざまな化学物質が存在し、それらが猫の体内に入ると健康被害をもたらすことがあります。
たとえば床のワックスや内装材の塗料、石油ストーブからの排気、さらにはタバコの煙など多種多様です。
これらの原因物質を排除するために、こまめな換気を心がけるなどの対策が求められます。
危険物の排除
薬やサプリメント、アクセサリー類、乾電池など、猫が誤って飲み込んでしまう可能性のある危険物もあります。
これらは猫が出入りする部屋に放置せず、引き出しや扉付きの収納棚などに保管しておきましょう。
窓やベランダの安全対策
猫は窓から外の様子を眺めるのが好きな動物です。
窓にカギがかかっていなかったり、わずかな隙間が空いていたりすると窓を開け、落下や脱走するリスクがあります。
これを防ぐためには、窓の施錠を徹底するのはもちろんのこと、ペット用の柵を設置するなどの安全対策も必要です。
電気ケーブルや家電製品の保護
電気ケーブルや家電製品に猫がいたずらをすると、感電やショートを引き起こすリスクがあります。
猫が爪でひっかいたり噛んだりしないよう、電気ケーブルにはカバーをかけておくか、モールなどで隠しておきましょう。
家具の転倒防止
猫が家具に飛び移ったとき、バランスを崩して家具が倒れてくる危険があります。
特に、サイズの小さな家具は不安定になりがちです。
わずかな衝撃や負荷がかかるだけで転倒するおそれがあるので、突っ張り棒やストッパーなどを活用し安全対策を講じておきましょう。
適切な室温管理
猫も人間と同様、室温や湿度が適切に管理されていないと体調を崩すことがあります。
暑さには比較的強いとされていますが、日本のような高温多湿の環境下では熱中症にかかるリスクも高いため、一定の温度・湿度を保つようにしましょう。
関連記事:猫が脱走したとき帰ってくる確率や脱走しないための対策を紹介
部屋のデザインによって猫の自然な行動をサポートする方法
猫に限らず、ペットを飼育する際には動物の習性や特性を理解し、快適な日常生活を送れるようサポートする必要があります。
猫部屋を作る際に心がけておきたいサポートの方法をご紹介しましょう。
高い場所へのアクセスを楽にする
猫は背の高い家具や家電製品に飛び移ることが多いですが、足場が不安定だと足を滑らせて落下し、ケガをする危険性があります。
そこで、高所へ安全にアクセスできるよう足場を設置しておきましょう。
ただし、ツルツルと滑りやすい素材ではなく、木材やゴム、カーペットなど滑りにくい安全な素材を選んで下さい。
遊びを促すアイテムを配置する
猫用のおもちゃはさまざまなものがありますが、すべてのおもちゃに興味を持ってもらえるとは限りません。
猫との相性も考慮し、さまざまなおもちゃを試してみましょう。
爪とぎの場所を工夫
爪とぎ器を購入・設置したものの、猫が使ってくれず柱や壁を引っ掻いてしまうといった悩みを抱える方も少なくありません。
猫は寝起きのタイミングで爪とぎをする習性が見られるため、爪とぎ器はベッドやケージのそばに配置してみるのがおすすめです。
適切なトイレの設置
猫は私たちが想像する以上に、きれい好きでデリケートな動物です。
トイレはつねに清潔を心がけることはもちろんですが、人間の目の届きにくい場所に配置し、安心して用を足せるよう配慮することも大切です。
たとえば、家族用のトイレや洗面所、階段下などへの設置を検討してみましょう。
また、トイレが汚れていた場合を想定し、1箇所だけでなく2箇所以上に設置しておくことで粗相を防げる可能性があります。
水と食事の場所を適切に設定する
水や食事をとる場所はトイレと離しておきましょう。トイレの場所が近いと、排泄物のニオイによって食欲が低下することがあるためです。
猫部屋作りにおけるアレルギーへの配慮
猫を飼育していると、ある日突然アレルギーを発症するケースもあります。
愛するペットと長く暮らしていくためにも、アレルギーの発症リスクを抑える配慮も必要です。
猫との接触後は手洗いとうがいをする
猫の体には唾液や皮脂、排泄物などが付着していることが多く、これが人間の体内に入るとアレルギーを発症することがあります。
そのため、猫に触れた後は必ず手洗い・うがいを心がけましょう。
室内の布製品を減らす
猫の唾液や皮脂などが布に付着すると、それが乾燥しアレルゲンとなって部屋に広がることがあります。
そのため、室内の布製品をできるだけ減らすことも有効な予防法といえます。
特に注意したいのが、カーテンやソファなどです。
たとえば、カーテンはブラインドに変更したり、ソファの上にはカバーをかけてこまめに洗濯することを心がけましょう。
こまめな掃除をする
つねに衛生的な環境を維持するためにも、こまめな掃除は欠かせません。
特にトイレ以外の場所で粗相をしたり、スプレー行為をした場合には速やかに拭き取るようにしましょう。
猫を寝室に入れない
猫と触れ合う時間を少しでもとりたいと考え、寝室で一緒に寝ている飼い主も少なくありません。
しかし、就寝中はアレルゲンを吸い込みやすくアレルギーの発症率を高めてしまうため、基本的に猫は寝室に入れないことをおすすめします。
定期的なブラッシングと月に1回のシャンプー
猫の体に付着した唾液や皮脂、排泄物などをきれいにするためには、定期的なブラッシングとシャンプーが不可欠です。
水に濡れるのを嫌がるようであれば、拭き取るタイプのシャンプータオルなども活用してみましょう。
空気清浄機の利用
空中に飛散したアレルゲンをなくすためには、空気清浄機がおすすめです。
特に、細かい粒子まで逃さない高性能フィルターを搭載した空気清浄機を選ぶようにしましょう。
関連記事:猫が階段から落ちないための落下防止対策や柵の重要性をご紹介
ペットリノベーションならテイストにおまかせ!
せっかく猫用の部屋を用意したとしても、猫にとって快適な環境でなければ気に入ってくれず、苦労が水の泡になってしまうこともあるでしょう。
特に猫を飼育した経験がない方にとっては、どのような環境が猫にとって快適なのか分からないことも多いはずです。
そのような場合には、ペットリノベーションを手掛けるテイストまでご相談ください。
テイストでは20年以上にわたってペットリノベーションの施工を行っており、一般住宅はもちろんのこと動物病院の施工実績もあります。
キャットウォークの設置はもちろんのこと、安全な床材への張り替えや壁の保護、感電対策など専門的なノウハウが豊富です。
ご予算に応じたプランのご提案も可能なため、まずは一度お気軽にご相談ください。
【まとめ】猫部屋を作るならプロに依頼しよう
DIYに慣れている方であれば、猫部屋を作るのは簡単に感じてしまうかもしれません。
しかし、猫は私たちが想像する以上にデリケートな動物であり、快適な部屋を作るためにはペットリノベーションに関するさまざまなノウハウが必要です。
特に、猫を飼うのが初めての方や、猫の習性や行動特性をよく知らない方は、ペットリノベーションに特化した専門業者へ相談・依頼してみることをおすすめします。